NEA/COM(2013)3
Paris, 10 September 2013
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福島第一事故に関する新しい報告書: OECD/NEAの対応と得られた教訓

今般OECD/NEAは、2011年3月に起きた福島第一原子力発電所事故(以下、「福島第一事故」)を受け、NEA加盟国及び常設技術委員会による対応に関する報告書を発行した。

本報告書は、The Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant Accident: OECD/NEA Nuclear Safety Response and Lessons Learntと題されており、福島第一事故の原子力に関する規制、安全性、研究、放射線防護の強化のための国際協力による取組について概説している。また、特に安全の確保、責任の共有、人的・組織的要因、深層防護(Defense-in-depth)、ステークホルダーの役割、クライシス・コミュニケーション及び緊急事態への事前対策に関連するキーメッセージと福島第一事故から学んだ教訓を強調している。

エチャバリNEA事務局長は、「原子力は最高レベルの安全性を必要とし、これに関して完全に満足することはない」と断言した。

エチャバリ事務局長は、福島第一事故は、原子力発電所びおいてこれまでに経験した最も苛酷な事故の一つであり、どのように原子力の安全性が評価され、確保されるかという点でターニングポイントとなったと付け加えた。そして、「しかしながら、なおも原子力安全の基となった原則、特に深層防護の原則は依然として有効であるが、全ての国、全ての環境において原子力の効率的な導入を確実に行うために安全上更に必要となってくる」と述べた。

本報告書を引用し、ジャン-クリストフ・ニエルNEA/原子力規制活動委員会(CNRA)議長(仏ASN総局長)は、「事故を完全に除外することはできないのだから、放射線を伴う緊急事態に対して、原子力発電所敷地内外において対応・処理に必要な事前対策の計画、試験、定期的見直しを行わなければならない」と指摘している。

ニエル氏は、更に、安全性の確保は国家の責任だが、潜在的な事故の結果によっては地球規模の懸念を引き起こすと強調する。加えて、福島第一事故での経験で得た知識のフィードバックが完了するには何年もかかる。だからこそ国際的な協力は不可欠である、と加えた。

<メディア等関係者への補足情報>

2011年3月に起きた福島第一事故を受けて、全てのNEA加盟国は直ちに各々の原発の安全性と公衆に対する防護の確保と確認を行った。これらの初期のレビューの後、原子力施設を持つ全ての国は、しばしば「ストレステスト」と呼ばれる包括的な安全性のレビューを行った。これらの中では、福島第一事故で経験した状況に関連した難題、例えば過激な外的事象と安全機能の喪失に対する安全裕度やシビアアクシデントへの対応能力を再評価した。その結果、電源や冷却機能の喪失をもたらす事象にプラントが耐える能力を確保する安全システムや緊急応答システムについて、適宜改良が実施されているところである。

事故後数週間内において、NEAは直ちに日本政府や他の国際機関と情報共有を行うとともに、原子力安全と放射線防護の分野で、専門家グループを立ち上げた。NEAはまたG8-G20の枠組の中でハイレベル政策決定者及び規制担当者からなるフォーラムを開催した。

福島第一事故に応えてNEAがとった国際レベルでの活動は、原子力規制活動委員会(CNRA)のリーダーシップの下、主として原子力安全と放射線安全を扱う三つの常設技術委員会、すなわち、CNRA、原子力施設安全委員会(CSNI)及び放射線防護・公衆衛生委員会(CRPPH)でとりまとめられた。

福島第一事後2年以上が経過し、NEAは原子力安全と放射線防護上の国際協力を確立するとともに、原子力安全と回復への取り組みに対処している日本政府を継続的に支援している。廃炉及び被害の受けた原発を取り壊す際の安全上の情報取得のみならず、どのように事故が進展したかを理解するための研究計画立案をNEAは強力に支援している。


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OECD Nuclear Energy Agency (NEA)
NEA report: The Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant Accident: OECD/NEA Nuclear Safety Response and Lessons Learnt
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